「究極の普通」ノームコアとは?
人生はシンプル。
あなたは毎日常に選択に迫られています。朝起きたら何を食べるか、誰から優先して返事を返すか、どんな服を着て、夜ご飯はなにを食べるか−−−。
ノームコアとはそんな人生をリセットするために生まれたNY発祥の文化です。
今回はそんなノームコアを解説していきたいと思います。
NYで生まれた「ノームコア」とは
ニューヨークで生まれ、現在シティボーイの間では定番になりつつあるのが「ノームコアファッション」です。
元々の語源としては「normal + hardcore」の造語で「究極の普通」を意味しています。
2014年春、ニューヨークを拠点とするトレンド予測集団「K-HOLE」が「特別なことはせずに自由なスタイルを見つける」という行動や思考を「ノームコア」という言葉で表現したことで、世に知れ渡っていきました。
その後日本でもメンズファッション誌「POPPYE」が2014年11月に「ノームコア」を特集しました。
1着数万円もするようなトレンドの洋服を着て、高いジュエリーを身に纏い、機能性を無視した靴で無理して外に出かけるのではなく、あくまでも「シンプルに、かつ、オシャレ」というスタイルが「ノームコア」です。
通常のファッションが「着飾ることで自分の価値や個性を高める」ものだとしたら、ノームコアは「自分自身の価値を高め、自分自身を主役の軸に、飾りすぎない」ものだと考えられます。
ノームコアとスティーブ・ジョブス
ノームコアの流行とスティーブ・ジョブスは切っても切れない関係です。
巷でノームコアの元相は「Apple社のスティーブ・ジョブス」と言われています。
スティーブ・ジョブスはApple製品の新作を発表する際に
・ニューバランスのハイテクスニーカー
という、特に着飾らない格好で常に統一されていました。
スティーブ・ジョブスは、自分が本当に心から気に入った服を何枚も買い揃えたり、毎日の服装を制服化して同じファッションを身に纏っていました。
これは、スティーブ・ジョブス自身生き様や功績から滲み出る圧倒的な存在感を、着飾らないシンプルな服で包み込む「ノームコア」というスタイルが世界中にかっこいいと認識させる要因となりました。
ノームコアが定番スタイルになった理由
1990年代の世界では「車をどれだけ所持しているか」「どれだけ大きな家に住んでいるか」のように人々は「モノ」に執着し、より新しいモノを追いかけていました。
しかし2021年の現在では、スティーブ・ジョブスが発明したIphoneの登場をきっかけに「洗練された無駄のないデザイン」「一つで完結する機能性」といったシンプルを求める風潮が生み出されました。
また、全世界がリアルタイムで繋がっているSNSの発達により、若者はモノよりも「非日常を体験できるサービス」といった「コト」を追いかけるようになりました。
つまりノームコアはそういった若者の「モノ(車・家)の消費」から「コト(サービス・体験)」の変化に自然と対応している文化であるといえます。
ノームコアファッションの特徴
①洗練されたシンプルなスタイル
白いTシャツに黒いスキニーなど、シンプルなスタイル。派手に着飾ったり、毎週のようにトレンドを追いかけるのではなく、ノームコアは「ファッションの主役は自分自身」ということが大切なポイントです。
②肩の力を抜いたリラックスコーデ
常に背筋を伸ばしていないといけないような緊張感から開放されたノームコアでは、リラックスした休日に着るようなコーディネートが多いです。
③自分自身が心から気に入ってるアイテム
ノームコアとは無難なファッションと思われがちですが、自分が本当に心から着たいと思い、一つ一つのアイテムには物語があるようなモノを選ぶ事が大切です。質の悪いモノをすぐに消費するのではなく、質の良い一つのものを長く大切にします。
ノームコアで「人生の主役をアナタ自身に」
毎日着る服を選び、周りの目を気にして買いたくもない高いアクセサリーや靴を購入して悩むよりも、自分自身の価値を高め「人生の主役は自分自身なんだ」と堂々と生きる「ノームコア」というスタイル。
人生をシンプルに考えて、ぜひノームコアスタイルに挑戦してみてください。